サスティナブル

サスティナブル商品とは?大手企業も意識しているサスティナブル商品も紹介!

最近目にすることが増え、何かと話題になる「サスティナブル」というワード。

サスティナブルな社会の実現は、地球上の人々が幸せな暮らしを継続するために必要不可欠と言われています。

ですが、「サスティナブルってどんな意味?」と聞かれて、明確に答えられる人がどれくらいいるでしょうか。

難しく考えてしまいそうですが、実は以前から私たちに根付いている身近な考え方であるサスティナブル。

この記事では、サスティナブル商品とは何か、エコやSDGsとの関係、初心者でも始めやすい実践方法などを詳しく解説します。

サスティナブル商品とは?

そもそも「サスティナブル」とは「持続可能な」を意味します。 

英語で「sustainable」と書き、「持続する(sustain)」と「可能な(able)」を組み合わせた英単語です。

現在の地球では、地球温暖化などの気候変動による自然災害、環境破壊や資源の危機など、抱える深刻な環境問題は数多くあります。

それらの問題を解決するために、環境への負担を減らしていく目的を掲げて作られた「サスティナブルな商品」というものがあります。

サスティナブルな商品とは、環境・社会・経済面において持続可能な商品のことをいいます。

製造から販売、廃棄までの全行程を通して、地球環境や社会、経済に配慮したものです。

サスティナブル商品の基準

サスティナブルな商品の基準は「地球環境や社会にやさしいこと」です。

単に環境にやさしいエコな商品ではなく、生産から販売し廃棄されるまでの全行程で、環境負荷を減らし、サスティナブル=持続可能であるということが必要条件になります。

地球環境だけでなく、人々の生活、それを支える社会や経済といった暮らしに関わるすべてのことが「持続可能な」良い状態であることが求められます。

フェアトレードや貧困・飢餓への支援活動など、世界経済や人々の健康にも配慮しているのも特徴です。

また、多様性を大切にし、誰もが利用しやすい商品であることも重要とされています。

しかし、こうやって説明されても、実際に生活している中で、どの商品がサスティナブルな商品なのか分かりにくいですよね。

次は、実際のサスティナブル商品の具体例をご紹介していきます。

サスティナブル商品の具体例

サスティナブルな商品を具体的な判断基準としては「認証ラベル・マーク」があります。

認証ラベルは、前述したように、サスティナブルな観点から厳しい基準を満たした製品にのみつけられるマークです。

また、サスティナブル商品である基準は、環境面・社会面・経済面と3つあります。

条件のひとつにあるのが、配慮したリサイクルできる素材で作られていることです。

具体的にはコットンなどの天然素材やリサイクル素材、アニマルフリー素材などがあげられます。

後述していますが、大手ファッション企業であるUNIQLOやNIKE、adidasでも、そういったサスティナブルな素材を使い商品を生産・販売し、廃棄されたものをリサイクルするなどの取り組みが行われています。

サスティナブルとエコの違いって何?

サスティナブルと混同してしまいがちな言葉のひとつとして「エコ」があげられます。

どちらも「社会にとってプラスになる」「未来を考えた行動」である点は共通しているといえますが、エコはサスティナブルと比べ圧倒的によく使われており、認知度が高い言葉です。

エコとサスティナブルの違いは、言葉が指す範囲の広さにあります。

サスティナブルは、環境だけでなく経済面や多様性など「社会全体にやさしいこと」を指します。

一方でエコは、生態系(ecology)という英単語を略した言葉で、「地球の環境問題」のみに対して使うことが多く、人の権利や生活の質の向上などは含まれません。

つまり、サスティナブルの意味の中にエコが含まれているといえます。

エコは、サスティナブルな取り組みのひとつの要素になるので、前述したサスティナブルな商品はエコな商品であるとも言えます。

サスティナブルとSDGsの違いって何?

サスティナブルと区別がつきにくいもうひとつの用語は「SDGs」です。

「SDGs」とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連で採択された持続可能つまりサスティナブルな世界を実現するための国際目標のことを指します。

この目標は貧困や飢餓、ジェンダーの平等、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「気候変動に具体的な対策を」、「海と陸の豊かさを守る」などの環境保全についてなど、具体的に17個に分かれています。

サスティナブルが目指すべき「状態そのもの」を指すのに対し、SDGsは前述したようにサスティナブルを達成するための「具体的な国際目標」を指します。

つまり、両者の意味は少々異なりますが、目指すものは同じです。

サスティナブルな商品を使うことはSDGsの実現にもつながり、SDGs達成のための活動は、サスティナブルであると言えます。

大手企業も意識しているサスティナブル商品

これまで、サスティナブルの意味や基準などを解説しましたが、まだ自分にはあまり関係ないと遠くに感じていませんか?

実は、サスティナブルはすでに商品として私たちの身近にあります。

そういったサスティナブルな商品を生活に取り入れるなど、自分でできることは想像以上にたくさんあります。

サスティナブル商品とは「生産から販売までの全ての過程で、環境面・社会面・経済面に配慮されている商品」です。

今では多くの大手企業がサスティナブル商品を開発しています。

そうすることで、ブランディングや社会からの信用獲得など、企業にとっても多くのメリットがあるからです。

また、環境問題や社会問題が認知されるにつれ、消費者もサスティナブルな商品を選ぶようになりました。

このようにサスティナブルは社会全体に浸透しています。

では、実際に大手企業の商品の事例を見ていきましょう。

環境・社会・経済のそれぞれの面でサスティナブルな商品がありますが、今回は環境面で配慮された商品をご紹介します。

UNIQLOのサスティナブル商品

UNIQLOは「事業活動」と「サステナビリティ」が一体となった新しい産業の創出を目指しています。

消費者の声を起点に商品を開発し、必要なタイミングで必要な量だけつくり・運び・届けます。

そして、着古された後もリサイクルに回し、服が捨てられることなく、その価値を最大限に活かしていくように取り組んでいます。

また、2020年9月よりサステナブルプロジェクト「リユニクロ(Re.UNIQLO)」を始めました。

プロジェクト第一弾として、海外から回収したダウンの中身を取り出し再利用したリサイクルダウンジャケットを販売しています。

ダウンとフェザーを再利用することで、生産過程でのCO₂排出量を約20%削減し、環境負荷の軽減を狙いとしているようです。

NIKEのサスティナブル商品

NIKEは、サスティナブルな取り組みとして「MOVE TO ZERO」を行っています。

これは、地球環境とスポーツの未来を守るために、商品の生産過程において排出される炭素と廃棄物の排出量をゼロにすることを目標に掲げられた取り組みです。

NIKEのプロダクトは、炭素を可能な限り排出しないよう設計されていたり、再利用した素材を使ったりなど持続可能な製法で生産されています。

中でも特に、シューズ「ナイキエアズームアルファフライネクストネイチャー」は、再生素材を50%以上含む商品で、主に工場からの廃棄素材などが原材料に用いられています。

このシューズの完成で、NIKEはサステナビリティとパフォーマンスの両立を証明しました。

IKEAのサスティナブル商品

IKEAは、2030年までの大きな目標として、人だけでなく社会や地球という家に対して、ポジティブな影響をもたらすための取り組み「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」を掲げています。

循環型にデザインされ、クライメートフットプリントが小さく、再生可能素材やリサイクル素材からつくられたプロダクトが多くなってきました。

洗って何度も使えるフードカバー 「オーヴェルメット」や保存バッグ「フィルフィスク」、サスティナブルな素材を使ったベッドトレイ「レスゴドス」などがあります。

またエネルギー消費量と温室効果ガスを削減するため、店内や社内での白熱電球の使用をやめ、照明を省エネ型のLEDに切り替え、販売する商品もLED電球のみになりました。

無印良品のサスティナブル商品

無印良品は、環境配慮が着目される以前から、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」などの取り組みをし続けており、世の中に先駆けてサスティナブルな事業を追求しています。

地球環境に配慮した質の良い素材を世界中から探して選び、全工程において無駄を省き、本当に必要なものを本当に必要な形で消費者に提供することをモットーに商品を作っています。

また無印良品では、ペットボトルからアルミ缶へ、プラスチックのレジ袋は廃止し紙袋とシェアバックへ、といった取り組みも進めています。

サスティナブル商品の例として、「落ちワタ混ふきん」は、インドの紡績工場で廃棄される短い綿や落ち綿を集めて作られています。

また、人気のスキンケア用品の補充用のリフィルは従来のボトルの1/4のプラスチック使用量で環境に優しいものになっています。

adidasのサスティナブル商品

adidasでは、2024年にはすべての製品において再生ポリエステルに移行するという大きなミッションを掲げています。

リサイクルでなくアップサイクル、つまり元の製品よりも価値の高い製品を生み出すことに尽力しています。

adidasのサスティナブル商品のひとつは、自然に存在するリネンや天然ゴムだけでなく、再生可能な菌糸体、キノコからできたMylo素材で作ったシューズ「スタンスミス」です。

高機能リサイクル素材「プライムグリーン」や日本製のプレミアムPUコーティングを施したリサイクルポリエステルを使用しており、従来のモデルよりサスティナブルに生まれ変わりました。

サスティナブルに関する意識調査の結果

サスティナブルは、実際の消費者である我々の意識にどれくらい浸透しているのでしょうか?

そこで、BCG(Boston Consulting Group)が行なっている調査の結果を参考にしましょう。

日本において行われた調査では、サスティナブルに関連する言葉のSDGsの認知率は89%という結果が出ました。

社会に広く浸透してきており、サステナブルに関する具体的なテーマへの関心も高まっていることがわかります。

しかし、実際にサスティナブルな行動を何か起こした人の割合は2割弱、環境負荷の少ない商品を選択したいとの回答は6割でした。

日本の消費者の環境意識は他国に比べて低く、自分の行動が与える影響をいつも気にしている人の割合は調査対象国中最低です。

実践できない理由は「お金や手間がかかる」「何ができるかわからない」が大きいようです。

そこで、経済的な負担も少なく行動を起こせる具体的なサスティナブル行動をご紹介していきます。

今日からできるサスティナブル

水にしても電気にしても、無限にある資源は何ひとつありません。

しかし、モノが溢れた現代に生き慣れた私たちにとって、こういった環境問題を実感できる瞬間は少なく、いくら知識として知っていても、実際に解決行動を起こせている人は少ないようです。

今のまま消費するだけの時代が続くと、いずれ必ず私たちは資源不足に陥り、環境破壊に繋がり、地球上で人類が存続できるのかも危ういのが、現実です。

「自分には関係ない、できることはない」という時代は終わりました。

一人ひとりが「サスティナブル」な暮らしを当たり前にしなければなりません。

例えばゴミの分別や節水、節電などであれば現在すでに実践できている方も多いのではないでしょうか?

実はこれらも立派なサスティナブル行動です。

自分はサスティナブルで環境に優しい行動を起こしている、という実感を抱くのも大切ですよね。

では、今日からできることを2つご紹介しますので、ぜひ参考にして実践してください。

マイボトルの持参

(引用:タイガーオンラインストア公式HP

会社や学校にマイボトルを持参するのは、すでに実践している方も多いのではないでしょうか。

飲み物を買う度にプラスチックやペットボトルを消費することになるので、マイボトルを持ち歩くだけでそれらの消費削減に繋がります。

そんな実践しやすいサスティナブルな取り組みですが、そのマイボトル自体もサスティナブル商品を選びたいですよね。

そこで、おすすめの商品をご紹介します。

環境・人権・健康に貢献するタイガーボトル。未来のためにマイボトル生活を始めませんか?【タイガーボトルサイト】

タイガーは、家庭で不要になったステンレス製ボトルを地域の学校や企業にて回収し、再生ステンレス材として再資源化をしています。

また、タイガーの真空断熱魔法瓶ボトルでは、健康配慮・人権配慮・環境配慮を実現するために以下の4つの約束を掲げています。

そんなタイガーの魔法瓶をマイボトルとして持参することで、あなたもサスティナブルサイクルの一員になってみませんか?

フードロスの削減

フードロス削減もサスティナブルな取り組みです。

食事を残さない・捨てない、外食で食べきれないほどオーダーしない、食品の食べられる部分を捨てない、地産地消、などフードロスの削減に繋がる行動はたくさんあります。

またスーパーで賞味期限間近のものを購入することでフードロスの削減に貢献できます。

大手コンビニのセブンイレブンも「てまえどり」を推奨しています。

さらに、フードロスの削減に貢献する方法として、サスティナブルフードを食卓に日常的に取り入れるというのもあります。

代表的なサスティナブルフードは、地球を傷つける農薬や殺虫剤などを使用せずに生産されたオーガニック(有機)食材や食肉に代わる代替品として使用できる大豆ミートなどです。

すぐにできるサスティナブルな行動として、一度毎日の食事を見直してみてはいかがでしょうか?

まとめ

年々深刻化する地球環境問題に対してだけでなく、社会や経済に与える影響にも配慮が必要とされ、注目を浴び続けている「サスティナブル」。

今話題の言葉という印象が強いですが、実は以前から私たちの身近にある「もったいない」の考え方と繋がります。

サスティナブルな社会や暮らしの実現には、自分が当たり前だと思っている習慣や行動を振り返ることから始まります。

そして、何か行動を起こす時に「この行動はもったいなくないのか、今後も持続できるサスティナブルな行動であるか」と自身に問いかけることを習慣化しましょう。

この問いかけこそが、サスティナブルで豊かな未来を実現する第一歩となります。

今回の記事で、「サスティナブル」の考え方がいかに地球上に住む我々にとって、目前の課題の解決法として、学び実践しなければならない重要なものであるかを知っていただけたかと思います。

ご紹介した方法であれば、簡単にすぐに実践できますので、ぜひ取り組んでみましょう。

  • この記事を書いた人

ruimoon

ブロガー&Webライター。歯科医院で勤務すること7年、クリエイティブな職への憧れを捨てきれず、未経験から挑戦する等身大の駆け出しライター。「一瞬一瞬のすべてを有意義に変える」をモットーに人生奮闘中。

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