敬語の基礎知識③
このページから、スキルアップを目的とした内容が書かれています。
スキルアップを図るには、まずはインプットが必要です。何も知らないところからのスタートは、誰もが未経験。そんな未経験が成長するには「学び・気づき」を得なければなりません。このページでは、基礎中の基礎を、完全未経験でもわかりやすいように紹介しています。
本をもとに作られているので、内容はプロレベル。一緒に成長していきましょう!

尊敬語とは
尊敬語とは相手や立てるべき目上の人をあげるもの。会話の中で、自分の先輩、上司、または、相手の先輩、上司の話が出てくるときに使います。「弊社の部長が、あの壁画をご覧になる」と言えば、自分の部長を立てていますので、尊敬語になるのです。
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尊敬語と謙譲語のよくある違い
丁寧に敬語を、自分は使っているつもりだ! と思っていても、間違った敬語を使っている人が多いです。「お客様が申し上げていたように、このテーブルは汚い」という文は、綺麗な敬語に見えますが、間違っています。正しくは「お客様がおっしゃっていたように、このテーブルは汚い」です。「申し上げる」は自分が下からモノを言う謙譲語。前者は謙譲語であり、お客様が言っていることを敬語に変えるなら、尊敬語にしないといけません。
ここからは、正しい敬語を習得できるように、尊敬語について細かく解説していきます。

尊敬語の言い換え方一覧 早見表
尊敬語にも言い換えが何種類かあります。特定型と一般形、名詞について紹介します。
特定型
(尊敬語の専用の言い方) |
・行く、来る、いる⇒いらっしゃる
・言う⇒おっしゃる ・見る⇒ご覧になる ・食べる、飲む⇒召し上がる ・する⇒なさる |
一般形
(付加型) |
・~なる
・~れる/られる ・~なさる ・~くださる |
名詞 | お/ご⇒お名前、ご住所 |
例)「読む」を尊敬語に言い換えると、いくつできますか?
答)読まれる/お読みになる/お読みくださる/読んでいらっしゃる/ご覧になる…
表にあるように、「読む」は特定型ではないので、さまざまな形に変えることができます。
尊敬語の特定型
尊敬語の特定型とは、もとの動詞を使わず、尊敬語専用の言い方に変えることです。敬語の語彙力がないと使えないものになります。冒頭の例文である「お客様がおっしゃっていたように、このテーブルは汚い」は、尊敬語を特定型に変えたものになります。専用の尊敬語を覚えて、正しい敬語に変えられるように習得しましょう!
行く、来る、いる | おいでになる/いらっしゃる |
する | なさる |
言う | おっしゃる |
気に入る | お気に召す |
見る | ご覧になる |
知っている | ご存じだ |
くれる | くださる |
食べる | 召し上がる |
着る | お召しになる |
尊敬語の一般形
特定型は、そこまで種類がないので、覚えやすと思います。一般形は、尊敬を表す言葉を付け加える付加型。一般形はいくつかのパターンを知ることで、習得できるものです。覚えておくと、様々なパターンで応用できるので、この機会に習得しましょう!
お(ご)~になる
「聞く」は「お聞きになる」です。「出席する」は「ご出席になる」です。「お」や「ご」をつける判断は、「お」が訓読みをする和語。「ご」は音読みにする漢語と基本的に決まっています。両方つかないものとして、コーヒー、テレビなどの外国語や、学校、銀行などの公共物が挙げられます。
~れる/~られる
「~れる」か「~られる」の使い分けには、「可能」のほか「尊敬」の表現として使わられます。「来られる」「行かれる」「聞かれる」
名詞の尊敬語
一般的に、「お名前」「ご住所」のように、「お」や「ご」をつけて、名詞の尊敬語をつくることでができます。名詞のほか、形容詞、形容動詞、副詞でも可能です。
形容詞⇒お忙しい、お早い、
形容動詞⇒おきれいだ、ご立派だ
副詞⇒ごゆっくり、お少し
役職がつく「店長」「部長」「先生」などの肩書や役職は尊称として、あらかじめその人を立てた言い方になっています。よって、「店長様」「部長さん」「先生殿」と呼ぶ必要はありません。ただ、社内や施設内の人に向けるものの場合に限ります。社外や施設外であれば、尊称はそこまで敬意が高いと言えませんので、「御社の○○部長様」と言い換える必要があります。正式な表現としては、「御社の部長 ○○様」が良いとされています。
まとめ
尊敬語には特定型、一般形、名詞と、言い方を変えるものがあります。「お客様が申し上げていたように、このテーブルは汚い」ではなく、「お客様がおっしゃっていたように、このテーブルは汚い」になるカラクリが、ここまで読んでいただければ理解できますよね。これらを正しく理解しないと、間違った敬語の表現になるので、注意しましょう。また、これまで紹介した尊敬語を理解することで、謙譲語との違いの判断ができるようになります。敬語を使う先は誰なのかを考え、正しい敬語を使いましょう。
今日も成長できました! ありがとうございますっ!